最低賃金と労働指標

1. 最低賃金

アメリカの最低賃金は、法律と同様に国(Federal)・州(State)・地方(Local)で定められています。最低賃金が複数存在する中で、適用される金額は「従業員にとって最も有利になる数字」となります。例えば、CA州の最低時給が$9.00だった場合、Federalの$7.25よりも高いため$9.00が適応され、GA州などStateの最低賃金がFederalよりも低い場合はFederalの$7.25が適応されるという仕組みになっています。

主要州の最低時給の推移

2. CPI (Consumer Price Index) =消費者物価指数

消費者物価指数(Consumer Price Index =CPI)とは、労働省労働統計局(Bureau of Labor Statistics =BLS)が、都市部の消費者が購入する商品やサービスに関する価格の変化を調査して指数化したものになります。

CPIは、様々な経済政策やビジネス戦略を決める上で非常に重要な指数として使われています。ただし、「昇給は消費者物価指数に応じて行う」といった話を耳にする事もありますが、アメリカではその様な事実は無いので注意が必要です。

なお、昇給に関しては、基本給の市場相場に加え「翌年度の人件費予算の増加率」や「昇給率の分布」を参考に決めて行く事が一般的となっています。


注) 上のリンクは、会員登録をされていない方は閲覧できません。会員登録に関するお問い合わせは コチラ から。

3. Unemployment Rate:失業率

失業率とは、就業者と完全失業者の合計である労働力人口に占める完全失業者の割合で、現在のアメリカの雇用状況は「完全雇用状態」と言われています。

完全雇用というのはOECD(経済協力開発機構)によると失業率(Unemployment Rate)が4%~6.4%程度の事を指しており、2019年の失業率(U3) の平均はその数字に該当し、パートタイムも失業とみなす失業率(U6)を見ても7.0%となっています。

4. Back Wage:未払賃金

Back Wageとは未払賃金、Back Payとはその支払いの事を指します。これは、雇用者が実際に支払うべき金額と支払われた金額に差異があった場合に生じますが、例えばMisclassification (FLSAステータスの誤区分)によって本来Non-Exemptであるはずの従業員がExemptとされていた場合は、支払われるべき残業代が未払いの状態となっているため、その分をBack Payとして支払う必要があります。

この場合、支払い義務のあった全ての期間が対象となり、何年も遡ってBack Wageを計算する必要があり、同時にペナルティの支払いが求められます。なお、そのMisclassificationが故意によるもので悪質とみなされた場合は、雇用者主に対する禁固刑もある様です。

このサイトに記載している情報は法的なアドバイスでは無く、あくまでHR情報として入手したレギュレーションを独自の視点でまとめたものになります。また、記載している内容が作成当時のものとなっており、その後のアップデートが反映されていない場合もあります。なお、SolutionPort, Inc.は法律事務所では無いため、法的な確認が必要な場合は法律事務所に相談してください。