FLSAステータス

1. FLSAステータスとは

概要

アメリカには、最低賃金・残業代・記録情報・未成年者の労働に関して規制するFLSA(Fair Labor Standards Act)という法律があり、民間企業や国地方自治体で働くフルタイムとパートタイムの労働者に対するMinimum wage(最低賃金)、Overtime pay eligibility(残業代の適応者)、Recordkeeping(情報記録)、およびChild labor(未成年者の労働)を定めています。

その中で、例えば一週間(1 Workweek)に40時間以上働く全ての労働者は残業代の支払い対象と定められていますが、一方で特定の条件で働く者はその法律からExempt(除外される)となります。労働者は基本的にExemptもしくはNon-Exemptのいずれかになりますが、このステータスをFLSA Statusといいます。

ExemptとNon-Exemptの違い

FLSA StatusがExemptである労働者は、述の通りMinimum WageOvertime PayChild laborなどが対象外となります。Non-Exemptである労働者は、最低賃金および一週間40時間以上の実労働に対する残業代保障が義務付けられ、1時間の残業に対して通常の1.5倍の賃金を残業代として支払う必要があります。(州法によって残業代の計算が異なる場合もあります)

基本的には、労働者の大半はNon-Exemptのステータスに該当すると考えるべきであり、大まかには以下の様な特徴があります。

2. 一般的な企業のExemptionの種類

Executive Exemption:従業員の管理に関して権限を持つポジションが対象。

Administrative Exemption:定められたルーティンやプロセスではない業務を行うポジションが対象。

Professional Exemption:専門性の高い知識や、豊かな創造性が必要なポジションが対象。

Computer Sales Exemption:IT・コンピューターの深い知識によって、システムやプログラムに関与するポジションが対象。

Outside Sales Exemption:通常、会社のオフィスから離れる事が多い営業職が対象。

Highly Compensates Employees:高い報酬を貰っているポジションが対象。(通常はExecutiveクラスなど)

注意点

雇用側が労働者をExemptと定義する場合は細かい審議を必要とし、対象者の実務を踏まえてExemption(Exemptとするための定義)に関する明確な条件が必要となるため、雇用側の一方的な事情では決める事ができません

Exemptionを見極める際の最終責任は雇用側にあり、違反した場合は「Misclassification」としてペナルティが課されると共に、未払給与の支払いが求められます。また、Misclassificationが故意に行われたと判断された場合は、未払い残業代の支払い・罰金の他、1年の禁固刑となる可能性もあるので注意が必要です。


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